文章を作ることとデザインすること。
本を作る、言葉で伝える。
本を作るにあたって、もう一人、お願いした人がいた。
それは、編集者(校閲)。
全て文章も一人の力で一気に原稿を書き上げたが、
国語が苦手…5教科で得意な科目ってなんだったっけ。
って思うほど、勉強が苦手だった。
文章って、国語が苦手でも読みにくい、引っかかる、
表記ユレなど、正解がある気がしていて、
私は、そこが自分の本の中で一番気になっていた。
写真の並びや文字組みも、見にくくなっていても、多少我慢できる。
でも、文章は人によって受け取り方も違えば、
届く意味さえ異なってしまうこともある。
私よりも文字や文章とうまく付き合っていて、
なおかつ私の文章をそのまま私らしく校閲してくれる人。
お友達のつっちーさんこと土屋裕一さんにお願いすることにした。
つっちーさんは、選書の仕事をしていて、本が大好き。
選書とは、言葉通り「選び書く」というお仕事で、
お店に沿った本を選んでセレクトして納品したり、執筆活動やラジオなど、
書いて、選んで、読んで、本にお困りのことがあればつっちーさんまで。
というほど、選書という仕事が天職だと思っている。
私とつっちーさんとの出会いは、
群馬に移住をしてから出会い、伊香保にあるやまのはという
群馬の土産と本のお店にくつ下をセレクト頂いている。
それ以降、家族ぐるみで一緒にキャンプに行ったり、
私の中で、数少ない群馬の友達の一人。
群馬って最高。って、人と出会うたび思うのだが、
つっちーさんはそのうちの一人です。
◻︎suiran
ある程度、文章は作っていたので、
そこに私らしさを残しながら、引っかかる文章を丁寧に添削していただいた。
きっと、私のことを知っているつっちーさんだからこそ、
つっちーさんの為人が文字になって生まれていた。
これは、誰でもできる仕事ではない。
お願いできて良かった。つっちーさん、ありがとう。
本を一人で作ってみて思ったことは、
意外と作れた。ということと、
一人で作らなかったら、
見えなかった、学べなかったことがたくさんあったということ。
恐らく分担していると、苦悩も見えないことも多いし、
きっと分かろうとしても分かり得ないと思う。
なんでもそう。
きっと、自分で体験し、経験することが何よりも
知識となるし、糧になる。そして、自信に繋がっていく。
ただ、本を作るということは、
とても根気のいることだったので、全然一人で作ることにおすすめはしないのだが笑
素晴らしい人と出会い、手を取り合える人がいるなら、
躊躇なく、手を取った方がいい。
どうやって作るかはさておき、本は素晴らしいもの。
便利すぎる世の中で情報はダダ漏れで、
何もしていなくてもいらない情報さえ気づいたら耳についていて。
本当に知りたいこと、心に留めておきたいものは、
私は活字や紙で感じていきたい。これからも、本を好きでいる。
紙を好きでいる。
2年前、アイスランドに行った時、本屋さんで個人の本がいくつも並んでいた。
後から調べてみると、10人に1人は本を出版しているそうだ。
冬が長いし、家にいること多いから、何か書いたり生み出すことが
多くなるのかなあと思いながらも、なんか、いいな。と思った。
この本は、読んでもいいし、
飾ってもいい。むしろ、飾って欲しいな。
中身のデザインと同じくらい、本のデザインにも拘りがあります。
それは、ハードカバー。もうね、ハードカバーってすごい高い。
これは量産しないと全然採算取れない。でも、これだけは譲れませんでした。

経年変化も楽しめて、高級感があって上品な佇まい。
選んだ布の色、素材が廃盤となってしまうそうで、
私の本以降、この布で作る本は生まれません。
(増産もできません…)なんだか、希少性が上がって聞こえる。
外側の箱に選んだ紙も、ハートカバーの見返しの紙とお揃いの
竹尾見本帖のNTラシャの紙を選びました。
私の想いを、この一冊に詰め込んだ。
どんな人が手に取ってくれるでしょう。
本を通して、高山植物のこと、くつ下のことが少しでも
身近に感じてもらえますように。
5th Anniversary book
"FLOWER OF THE MOUNTAIN"
製本|上製本 B5縦変型(ピンク色 布のハードカバーです)
加工|表紙 箔押し
製本様式|糸かがり綴じ
ページ|96P
サイズ|250mm×163mm
印刷|カラー・モノクロ
限定 100部
2025年4月28日発売
発行人(編集・デザイン・文 )
田中 史織
印刷・製本
藤原印刷
編集
土屋 裕一 suiran